人工透析

人工透析には「血液透析」と「腹膜透析」があり、当院では血液透析を行っております。

血液透析について

腎臓は体内の水分やナトリウム・カリウムなどの電解質の量を調節し、体の状態を一定に保つ働きや、体に不要な老廃物を体外に排出する働きを持っています。この腎臓の働きが低下した状態を腎不全と呼びます。腎不全が進行すると尿毒症を来し、さまざまな自覚症状が出てきます。放置すると命にかかわる事態となります。現代の医学では腎移植を行わない限り失われた腎臓の機能を回復させることはできません。血液透析は機能が低下した腎臓の代わりを行うものです。腎臓の機能を回復させる治療ではありませんが、腎不全患者さんにとってなくてはならない治療です。2017年の調査では日本での透析治療を受けている患者総数は約33万5000人、腎不全の原因は糖尿病39%、慢性糸球体腎炎28%、腎硬化症10%と報告されています。1年間で新たに透析治療を開始された患者数は約4万人で年々増加傾向にあります。

一般的に腎機能が正常の方の10%未満まで低下した場合に血液透析が必要と言われていますが、個人個人の年齢や体の状況や自覚症状、採血結果などいろいろな要素を十分に把握、検討し透析治療の開始を判断する必要があります。

透析治療には血液透析、腹膜透析の2方法がありますが当院では血液透析を専門的に行っております。血液透析は血液を体外へ循環させダイアライザーと呼ばれる半透膜を使用し余分な水分や老廃物を除去したり、電解質濃度を補正したりします。週3回、1回4-6時間の治療を受けていただきます。日本の透析患者の96.5%がこの血液透析を受けていると報告されています。

当院での血液透析対応

※従来の血液透析(HD)に血液ろ過(HF)を加え、さらに大量に輸液を負荷することでろ過する量を増やしたオンライン血液ろ過透析(On-line HDF)も行っております。On-line HDFは従来の血液透析よりもより多くの老廃物を除去することが可能です。

当院での透析患者様は現在67名(2022年5月現在)です。
下記の3グループに分かれております。

  1. 月・水・金(昼間)グループ
  2. 月・水・金(夜間)グループ
  3. 火・木・土(昼間)グループ

透析中は患者さんがリラックスして過ごせるように、各ベッドに設置されたテレビをご覧いただけます。

ご希望の患者様には院内で調理した透析食を御用意しております。

季節のメニューや行事食などを取り入れた透析食は患者様にも大変喜ばれています。

個別対応にもできる限り応じております。

透析患者様の送迎について

通院は、長時間歩くことがつらい方や交通の便の悪い地域の方にとっては大きな負担となります。

その負担を少しでも和らげることができるように、通院サポートとしてご自宅から当院までの送迎を行っています。

数名の患者様が乗り合う為、1人1人の事情やご希望に添えないこともあります。

出来る限り公平を心掛けておりますのでご理解頂きたいと思います。

ご相談等ございましたらいつでもご連絡ください。